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使いどころなんだよね

iittala / Ruutu vase

先送りにしまくった後で
結局はヤメようって事になる。
ピンとこない場合は大半がヤメに
なるのだから、悩んでるなら
基本ヤメでいいじゃない。
そうは思うのだけれど、
長らく引きずって結局やろう、
そんな事もマレにはあるから、
一概に悩むなら無しともいえない。

そういった事や物には
特別な何かがあるから
引っ掛かり、引きずるのであり、
それが案外、大事だったりする。

物の場合は特に手間を掛けた
部分があったり、効率を考えたら
絶対に生まれないような
新しい箇所を持っていると、
普段見るものとは違う
雰囲気が目に止まってしまい、
それが心のどこかに引っ掛かる。

でも、使いどころが
ピンとこないから保留にする。
案外、僕の場合はこれが多い。

かなり前の話なのだけれど
イッタラのガラス工場を訪れた時
普段はアアルトベースを吹いてる
職人チームが、見慣れない
カクバリガラスを吹いていて、
それはブルレック兄弟がデザイン
した新しい花瓶だと聞いた。3ヘェ。
吹くのが凄く難しいんだと説明が
加わる。でも、どこがどう難しいの
だろう?普段のアアルトベースを
吹くのと変わらなくも見える。 
話がガラスみたいに膨らんでるか?
よくわからないもんだから
そこで気分は無に帰したのだけれど
なんか、少し引っ掛かり残った。

多分、その形なのである。
カクバリ吹きガラスは僕の中で
少し特別だという認識がある。

オイバの作品N408、409は薄く
非常にエッジの効いたカクバリ作品。
僕のお気に入りでもある。
これを復刻したいのだけれど、
作れるだろうか?とオイバに軽く
相談した事がある。答えは意外で
難しいという事だった。
オイバから難しいという答えが
返ってくる事は今までにない。
ポジティブ、イエス、やってみよう
が決まり文句なのに珍しい。
その時、カクバリ吹きガラスは
作るのが難しいと頭に刷り込まれた。

ある時、イッタラのお偉いさんが
スコープを訪れ、次の新作は
素晴らしい物になると大絶賛し
ある動画を見せてくれた。
それは素晴らしく綺麗だった。
綺麗なカクバリガラス作品。
綺麗な色合いで、更にそれぞれの
色が重なる事を楽しむ。新しい。

Ruutuは微妙な色加減だから
厚さは何より大事な要素だろう。
両端の尖ったラインは
非常に薄くなっているので
この辺をうまく吹くというのは
全体の厚さが均一なアアルトベース
とは少しテクニックも違うだろうか。
なんだか想像するだけで難しそうだ。

いやはや、なんで、こんなに
このRuutuを気にしているのだろう。
めっきり新作に興味を持つことが
少なくなっているスコープだが
これについては発売からずっと
引っ掛かり続けている。

物に興味はあるのだけれど、
どうも使い処が見つけられない。
つまりは取り扱い開始できない。

そんな、ある日、コラボ話が
キッカケになってRuutuの使い処が
サクッと見つかった。そして
花瓶として見ていたから
果てしなく高いと思っていたけれど
ガラスオブジェという側面で見れば
アリ、という所に到達した。

長らく取り扱いしなかったのには
理由があり、それがスッキリした
のでスコープでの取扱が始まった。

そのキッカケになったのは
偶然生まれたコラボ企画なのだから
世に起こる偶然の流れというのは
実にうまい事できてるなぁーと
ネットに溢れるイノベーティブ
な仕組みよりも関心する。

長きに渡って喉に刺さった小骨が
海で泳ぎ、少し塩水を飲む羽目に
なったらとれていたと、そんな風な
感じだ。それでRuutuが始まった。

text:シャチョウ