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東屋のちゃぶ台に輪じみが付いたらどうしましょう?

以前のBBSにて質問があり、
おしぼり案件としてお預かりしていた
「ちゃぶ台に付いた輪じみの直し方」について
スコープの家具の試作でお世話になっている
コンセントファニチャーさんに直し方を教わりまして、
コロナ自粛でヒマを持て余した
夏休み期間中に試してみましたので
その結果をご報告いたします。

先に結果を発表しますと
結露による水の輪じみは直せましたが、
コーヒーの輪じみは跡が残りました。
どちらも液体が乾く前に拭き取れば
目立つ跡は残りませんので
さほど神経質になる必要はありませんが、
問題は液体が乾いて表面の油分が
円形に抜けてしまった時。
写真と共に直し方をご案内していきますので
ぜひ参考くださいませ。


もくじ

・実験1 冷たい飲み物による結露の輪じみ
・実験2 コーヒーによる輪じみ
・まとめ
・水より金属に注意

【 p.s.おしぼり 】4040は別の方法で


実験1 冷たい飲み物による結露の輪じみ

今回、実物を使う訳にはいかなかったので
東屋のちゃぶ台と同条件になるよう
コンセントファニチャーさんに製作いただいた
かんな仕上げのナラの板を
ちゃぶ台の天板に見立てて実験開始。
胡桃油を塗って乾燥させた後
冷たいグラスを置いて放置して
輪じみを再現します。

カルティオを載せてみた
夏場によくある現象

数十分後には結露による濡れた輪じみが。
この段階で拭けば被害はほぼなし。
問題はこのあと。うっかり放置すると、

あちゃー

こうなります。
角度を変えてみると油分が抜けて
白っぽくなっているのがわかります。
油分が抜けたのならまたオイルを塗れば直る?
と思ってしまいますが、いきなりオイルを塗るのは
「それダメ」行為。理由は後でご紹介しますが
まずは水で濡らすように全体を拭きます。

比較用に中央の輪じみは濡らさず、マスキングしています

布は濡らして軽く絞った程度。
びちゃびちゃでも大丈夫です。
実際のテーブルの場合、輪じみ一つでも
テーブル全体を水拭きしましょう。
特に輪じみ周辺はゴシゴシ拭きます。
こうすることで輪じみ部分とオイルの残った
部分の境目がぼやけ目立ちにくくなります。
でも濡らしたら乾いたときに木が毛羽立つんじゃ?
と思ってしまいますが東屋のちゃぶ台は
かんなで仕上げているためこの心配はありません。
安心して乾燥を待ちましょう。

乾いた状態(手前)
合間を見て奥では次の実験用にコーヒーの輪じみを再現中

乾かすと中央の輪じみと比較して
手前の輪じみが周りに馴染んでほぼ消えて
いるのが分かります。
よく乾燥させてから、アマゾンで買った
胡桃油をウエスで薄くて塗り伸ばし
余分な油をふき取り乾燥させます。

胡桃油はメンテ用に一本持ってるといいですよ
天然の油は乾燥が遅いので数日の乾燥が理想です

手前の輪じみは見事に消えました。
比較用に濡らさなかった中央の輪じみは
あえてそのまま胡桃油を塗りました。
これをやってしまうと写真のように
輪じみは消えず残ってしまいます。
輪じみにいきなりオイルを塗ってはいけない
「それダメ」の理由がこれ。
まずは水を塗って輪じみの
境目をぼかしてなじませるのがキモです。

中央の輪じみのように水拭き前に
オイルを塗ってしまった場合でも
最終的に同じ方法で直せますので、
一旦置いて次のコーヒーの実験に移ります。

実験2 コーヒーによる輪じみ

先ほどの板の空いたスペースに
コーヒーが垂れた輪じみを再現。
水よりも色が付いた感じがわかります。

中央と比較すると濃いです

まずは結露の輪じみと同じく
たっぷりの水で拭いて乾くのを待ちます。

馴染んで目立たなくはなりましたが
残念ながらうっすらと円形に跡が残っています。
色が付いた液体が木の内部に
染み込んでしまうためでしょうか。
コーヒーでこの結果ならば醤油はおそらく
これ以上に目立つでしょう。
水拭きの手法ではこれが限界です。

これ以上直そうを思うと削るしか方法がありません。
東屋のちゃぶ台はかんなで仕上げているので
かんなをかけて削るのが理想ですが
これは職人さんにお願いしないとまず無理です。
サンドペーパーで削ることもできますが
個人的には折角のかんな仕上げに
余計な手を加えたくないので
僕ならここでオイルを塗って良しとします。
が、
サンドペーパーを当ててでも直したいという
ケースもあるでしょうし、どうなるのか
見てみたいという興味もあるので
さらに実験を進めてみます。

サンドペーパーとウレタンパッドを用意
ペーパーを軽くすり合わせてざらつきを取ります

用意したのは#320のサンドペーパー。
この手の修正には一般的に#240〜#400
あたりの番手がベストなので中間をとってみました。
サンドペーパーは使い始めが一番ザラザラ
していますでサンドペーパー同士をこすり合わせて
ざらつきを取ってから使うと木にペーパーの
擦り跡が付くのを抑えられます。

ペーパーはウレタンパッドを当て木の代わりに
使うと当たりがソフトです。
ランダムに磨かず、木目の方向にペーパーを当て
磨くとより擦り跡が目立ちにくくなります。
ペーパーで削った部分は白っぽくなりますが
折角かんなで仕上げた材の全体にペーパーを
かける訳にも行かないので輪じみ部分だけに留めます。

マステを外した手前が全体的に白っぽいのは水拭きによるもの
輪じみ周辺の白っぽいのがペーパーをかけた部分

比較用に残した中央の輪じみも含め
全体的にもう一度水拭きして
よく乾燥させてから胡桃油を塗ります。

中央の輪じみも直したいので全体を水拭きします
胡桃油を塗る前にしっかり乾燥させましょう
胡桃油を塗って完成

胡桃油を塗り終えて最終こんな感じです。
コーヒーの輪じみがあったのは左手。
うーん、そのままよりは薄くなった気がしますが
よく見るとまだ若干跡が残っています。
右手と中央にあった結露の輪じみは
よく見てもわからないレベルで元通り。
ここで実験終了です。

まとめ

東屋のちゃぶ台に付いた結露の輪じみは
水たっぷりで水拭きし、輪じみの境目を
ぼかしてなじませ乾燥させた後、
胡桃油を塗れば直ります。
コーヒーの輪じみの場合も同じ手法で
直しますが、胡桃油自体の保護力が強くないので
材に色が付き若干の跡が残ります。
サンドペーパーを当てれば多少改善するものの
完全に跡を消すのは難しいとお考えください。

またサンドペーパーを当てた部分を光にかざすと
周辺に比べ、ほんのわずかですが
艶が下がっているのが分かります。
水拭きして胡桃油を塗る方法で
かなり目立たなくなりますので
かんな仕上げの綺麗な艷を保ちたい場合は
サンドペーパーの使用はおすすめしません。

水より金属に注意

液体以外で気を付けたいのが
ヘアピンなどの金属類。
濡れた状態で天板に置いてしまうと
簡単にサビ跡が付き、木の中にも浸透するので
水拭きでは何ともならず、
多少表面を削ったぐらいでは取れません。
お風呂上がりや洗顔後にうっかり
置いてしまわないようご注意を。
僕も過去にオイルフィニッシュのタモ材に
スプレー缶を長時間置いておいたら
丸く黒い跡をつけてしまった経験がありますので
空き缶なども注意が必要です。

【 p.s.おしぼり 】 4040は別の方法で

スコープの4040テーブルは米国産の
オーク材(日本語でナラ)で、
東屋のちゃぶ台は国産のナラ材。
どちらもオイルフィニッシュなので
同じものと思われるかもしれませんが
4040テーブルはサンドペーパーの
親玉のような機械で削るサンディング仕上げ
であるのに対し、東屋のちゃぶ台は
人の手によるかんな仕上げ。
完成した姿はどちらもツルツルして見えますが
前者はザラザラしたもので削り、
後者は刃物で削っていると言う違いがあります。
加工法の違いに加え、塗っている
オイルの性質も異なりますので
このページの輪じみの修正方法は
4040には当てはまりません。
4040のオークについては
4040のメンテナンス方法をご参考くださいませ。

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